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はじめに ~みんなの目めの前まえの「すごい瞬間しゅんかん」を見みる~
みんなは、学校の理科の時間に「細胞」や「生き物の体の中の小さなはたらき」の話を聞いたことがあるよね。だけど、細胞の中で起こっていることはとっても速くて、丸い丸い細胞のなかの「小さな動き」を見たり写真を撮ったりするのは、とってもむずかしいんだ。でも、最近、みんなが使う「顕微鏡」で、細胞の動きをパッと一瞬で止めて、すごくくわしく見ることができる新しい方法を大学の先生たちが発明したんだよ。
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細胞さいぼうの「動うごき」をパシャッと止とめめて見みるってどういうこと?
「細胞」はすごくちいさくて、たとえば、学校の算数の問題でよく使う「ミリメートル」の1000倍も小さい「マイクロメートル」っていう単位で計られるサイズなんだ。そんな小さな中で、たくさんのものが動いたり、信号を送ったりしているよ。
でも、動いているものを見たいとき、普通のカメラはシャッターを開けている「間」しか見えないし、細胞の動きはとっても速いから、シャッターが閉じたときにはもう動いちゃっていることが多いんだ。
そこで、この新しい「時間を決めてパッと凍らせて見られる顕微鏡」では、細胞の中をすごく早く凍らせて、その動きを一瞬止めてしまうことができるよ。これを「瞬間冷凍(」って言うよ。
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どうやって一瞬いっしゅんで冷ひやすの?
この方法では、「すごく冷たい液体」を細胞にかけて冷やすんだ。ふつうの氷よりずーっとずっと冷たい(マイナス185度!)液体があって、それを使うとすぐに細胞の中の動きが止まるんだよ。これを「クライオ(瞬間凍結)」って呼ぶんだ。
たとえて言うと、夏にお家でスイカジュースを飲んでるときに「急に冷蔵庫に入れて一瞬でカチカチにして、ジュースの中の氷の形をじっくり見る」みたいな感じ。急に冷やすから、動いているものが止まって、そのときの形や位置がはっきりわかるんだ。
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どんなことが見みられるの?
この新しい顕微鏡のしくみでは、たとえば次のことができるよ。
- 細胞の中の「カルシウムイオン」という小さな粒がどう動いているかを見る
- 細胞の中で動いている「小さな筋肉のような糸(アクチンフィラメント)」の形をくわしく観察できる
- 3Dで細胞の中身を見ることができる
さらに、光を使って細胞を刺激して、その反応を10ミリ秒(千分の10秒!)単位で止めて見ることもできる。すごくタイミングを合わせやすいんだね。
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どうしてこんなことが大事だいじなの?
この方法がすごいのは、細胞の一瞬の動きを正確に「写真」にしてもっとくわしく調べられること。たとえば、
- 病気になった細胞がどう変わるのか
- 薬を飲んだ時、細胞の中でどんな変化が起こるのか
- 細胞の秘密の動きをはっきり見ることができる
これって、未来の病院の薬づくりや病気の治し方を考えるときにとっても役立つ技術なんだよ。
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まとめ ~おうちでも考かんがえてみよう!~
この新しい顕微鏡の方法は、細胞の中の「一瞬の動き」をピタッと止めて、今まで見られなかった細かい様子をつかむことができるすごい発明です。
おうちの中でも、たとえばジュースを急に冷やして氷の形をよく見たり、瞬間的に「動き」を止めてくわしく観察してみることはできるかもしれないね。
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親子おやこで話はなしてみよう!
- 「みんなの体の中で一番速く動いているものは何だと思う?」
- 「もし体の中の動きがすごくゆっくり見えたら、どんなふうに見えるかな?」
- 「自分の体の細胞の中も、この顕微鏡で見てみたい?何を見てみたい?」
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なお、この記事は大阪大学などの研究グループが発表した科学ニュース「Time-deterministic cryo-optical microscopy developed by University of Osaka — Cells under observation instantly cryofixed (Oct 1, 2025)」をもとにしています。詳しくは「新技術「時間決定型クライオ光学顕微鏡法」を開発 」をご覧ください。
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未来の科学者のみんなも、体の中の小さな世界に興味をもって、いつか新しい発明をしてみよう!